◆授かったもの◆
今回も訪問して下さりありがとうございます。
今回は以前紹介した仕事の道具の続きをご紹介しようと思います。
盲目の鍼灸師を担当した時の話には続きがあったんです。
その鍼灸師の奥さんも....。
darucoro9216kun.hatenablog.com
その奥さんも、旦那さんが亡くなられて半年後に…僕が治療を担当することになったんです。
奥さんは弱視の方でした。
鍼灸師で、指圧を得意とする筋金入りの指圧師でした。
経穴(ツボ)の捉え方が独特でした。
普通はツボを「押す」と言う感覚なんです。
でも、その方がツボを刺激すると「つまむ」感じなんです。
不思議な感覚でした。
僕がツボを刺激するのとは全く違うイメージでした。
指圧師の奥さんは出会ってすぐ、僕の肩を触ってツボを押しました。
指圧師:「じぇんじぇん違うやろが?」
僕:「全く違います!つままれてる感じです」
指圧師:「ちゃーんと違いは分かってるんやな」
僕:「普通に押してたらダメなんだって事は分かります」
指圧師:「ええなぁ〜そやぁ〜どうしたらええかな?考えながら治療してみ〜や」
僕:「旦那さんが言ってました。眼に頼らない」
指圧師:「ウチのお父ちゃんの事良く覚えてるんやな。でも、それとはちょっと違うでぇ」
※この「つまむ」が出来る様になったのは、これを言われてから10年以上経った後でした。
「ツボを押すのにつまむ感じ」このヒントは、なんと僕が鍼灸師の時には気が付きませんでした。
指圧師が「見えない指」と何度も言っていました。
その見えない指を僕は勘違いしていました。
「自分の指と想像した指」でツボをつまむ様に押す?なんて長らく思い込んでいました。
僕が理学療法士になって、2年目だったと思います。
ツボが骨の近くにある事は知っていました。
骨を意識する様になって、見えない指が骨だと気が付きました。
ツボを押す時に力を入れず、ゆっくり筋肉に潜り込ませる。
そして、骨に近付ける事で「つまむ」ことが実際に出来る様になりました。
全てを教えてくれなかった事に感謝しました。
結局は自分で気付かないとものにならない。
過去に伝えてくれた言葉なのにフッ?と気がつく時があったりして…。
今は月日が経って、鍼でもその「つまむ」かんじを再現できる様になりました。
◆授けてくれた◆
右と中央は「石乏(へん)石」漢字が出ないのですが…。「へんせき」と言います。
膿みなどを出す時に使います。
鍼灸の歴史本などをみると出てきます。
左はローラー鍼です。小児鍼をする人は使うかも知れません。
僕は今まで授かったのに、使った事がない道具ばかりです。
左側の2本は僕が現在使ってる鍼です。(全体で6.6cmくらいあります)
そして、奥さんから授かった中国鍼(50本くらいはあると思います)
鍼の長さは倍以上有りますので...もちろん使ったこと無いです。
こんな長い鍼…どうやって使ってたんでしょうね。とても高価な鍼だと思います。
せっかく授かったのですが、僕には使うことが出来ません。
◆っ◆
◆ち◆
パッと触った時に、すでにツボに触れています。
奥さんから教わったのは「手の感覚」です。
僕たちは専門的に「パルペーション」と言います。
奥さんが触ると、触った瞬間指がツボに触れてるんです。
無意識に触った感じなのに…。
それが、何より大切な技術なんでしょうね。
※誤解があるといけないので、説明します。
ここで指圧師と表現しているのは「あん摩マッサージ指圧師」と言う国家資格です。「整体師」「カイロ」などは国家資格ではありません。
最近は真面目に動画をYouTubeでUPしてます(ワハハ)
理学療法士の開業その3「自作HP+無料CSS」 - YouTube
心よりお待ち申し上げております。